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優しい手
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真白side
マンションについて獅音がエレベーターのボタンを押す。俺は獅音におぶられたまままだグズグズと泣いていた。それでも何も言わず家までおぶっていてくれた。
ガチャ…
家の鍵を開けて獅音が靴を脱ぐ。そして俺が履いていたスニーカーも脱がせてくれた。……雑だな。靴下脱げたし…。
部屋のベッドにポスンっと座らせられたと思えば、向かい合わせになって、さっきみたいに抱きしめられてポンポンって優しく背中を叩いてきた。
「……ほら、もういい加減に泣き止め…そんなに泣いてたら明日ブサイクな顔になっちまうぞ…」
「…ひぐっ…ずずっ…ぐすっ」
面倒くさそうに言うくせに、抱きしめる手も背中を叩いてる手も優しくてほんと困る。そんなんだから女の子がほっとかねぇんじゃないかな。…だってそんなんされたら、泣き止むどころじゃねぇし…もっと惚れちゃうじゃん…
「……な?もう泣き止め?…そんなに泣かれたらどうしたらいいか分かんねぇんだよ…」
いつも余裕そうな顔してるこいつが、俺の泣いた顔みてすげぇ焦った顔してんの。…それ、なんか好き。
好きだなぁって思ったら止められなくって、俺の方から強く抱きついてた。
「…うわっ!!!え?!なに?!どうしたいきなり…って苦しい!!首!締めすぎだから!!!緩めろ!息できねぇだろうが!!!!」
「……ひくっ…やだ。」
さっきまで自分が抱きしめてたくせに、俺の方から抱きついたら耳とか真っ赤になるくらい照れてるし…意味分かんねぇ…。
「やだってお前なぁ……ほら、泣き止んだなら怪我したとこ洗わないと手当もできねぇから風呂行くぞ。」
「……えっ…」
ちょっと待って!!風呂一緒に入んの?!
さっきまではからかって遊ぼうかなって余裕があったけど、そんなこと言われて一気にテンパってしまう。
俺を前から抱き上げて担ぐようにして脱衣所まで連れていかれた。
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