アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
青春、泥の中で輝きを放つ
-
「よしヒナト今日からサッカーできるぞ!」
「え、はやくね!?」
朝寝ぼけて登校したすぐ後に、リョウが尻尾を振りながら走り寄ってきた。
こんなにも早く許可がとれるとは思っていなかったので何も用意していないヒナトは、あたふたと慌てるがリョウが指を横に振った。
「ちっちっちっ。そういうと思ってお前の分の着替えとタオルも用意しておいたぞ!」
「なんで俺のサイズ知ってんのかはあえて聞かねえよ」
「幼馴染だから当然だろう!監督に貸してもらったシューズもあるぞ!放課後楽しみだな!」
とんとんと自分のペースで物事を決めていくリョウに戸惑いつつも、さほど悪い気はしない。だが最終確認の意をこめてもう一度聞いてみた。
「なあ、俺本当にサッカーすんのか?」
「ここまできたらやるしかないぞヒナト!」
「俺なんか暴力しか取り柄のねえ人間なんがサッカーなんてやって変われるわけが」
「そのなんかはやめてくれ」
薄いほほえみを保ったまま、リョウはヒナトの頭に手をやさしく置く。
「変われる変われないの話じゃないんだ。変わるんだよ。ヒナトは変われる。俺が保障する!立派なサッカー青年に育て上げてみせるぞ!」
「…んだそれ。無理に決まってんだろ」
などと悪態をつきつつもヒナトの顔は若干ほころんでいた。にぃっと口角を釣り上げわしゃわしゃーっと茶色い髪をかきまわされ、本気で怒りかけていたが。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
3 / 10