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食事/俊彦側
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「ん、、、」
私は、独特のスパイシーな香りがして
眠りから覚めた。
いつの間にか眠っていたらしい。
連日仕事に追われて忙しかったのと
響が居ないことが不安で寝不足だったせいだろう。
キッチンにいくと、そこには響が立っていて
カレーを作っていた。
私に気づき、「社長、お腹すいたかな?と思ってこれ作ったんで良かったら食べてください」と笑顔を向け食器にご飯ととルーをよそるなり、私に席に着くように促す。
正直、寝起きであまり食欲はないが、せっかく作ってくれたんだ。
その好意はありがたく受け止めよう。
スプーンでカレーを掬い、口の中に運ぶと
丁度良い辛さのコクのある味が広がる。
「おいしいよ」
それが私の素直な感想だった。
「良かったです」
と笑う彼のその微笑みに胸が高鳴る。
その綺麗な容姿もその透き通るような声も
男性のわりには少し細いその身体も
離れて初めてわかる、こんなにも愛していたこと、、、。
それがわかっても、どうしようもないことは十分承知だが、、、。
期待するのをやめられない
いつか振り向いてくれるのではないかと
全てを差し出してくれるのではないかと
身体をどんなに重ねても
一緒にいる年月が長くても
その"心"までは手に入らない
痛いほど痛感する、その感情がこんなにも辛く苦しいものだとは知らなかった...。
どんどんとカレーを頬張って、全部食べ切った時には、満腹感からなのか、それとも疲れていたからなのか、また瞼が重くなり、私はゆっくりと目を閉じた。
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