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-黒澤side34-
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翌日、出勤時刻ギリギリに登場した俺と白鳥先生は酒の臭いをプンプンさせて、明らか二日酔いですと顔に書いており、2人して死んでいた。
仲良しですねぇ本当に、と校長は笑うものの目が笑っていない。何かとセットにされる俺らだが、今日は否定する気力すらなかった。
「アタシ達もう夫婦で良くないー?」
「性別変えてきてくださいよ」
「あら?!性別が女ならいいの?!」
「……案外、あんたとの方がお似合いかもしんねーなぁ。」
冗談でそう言うと、若干固まってから思いっきり俺の肩をグーパンして、そっぽを向いた。……もしかして照れてるのか?
「冗談でもやめてちょうだい。私は妥協して選ばれるほど安い女じゃないの!!それに言ったでしょ?私は片想いして追っかけてキラキラしてる自分が好きなの!……この私を振り回すんだから、本命の事だけ考えてなさい。いいわね?」
「……あ、ありがとうございます。」
そろそろ自分の幸せも考えた方が、と喉まで来ていたが、これ以上言うとまた説教が始まりそうだったのでやめた。
“作戦E”は今日早速実行するとの事。俺が見つかるとややこしくなるため、白鳥先生の単独行動になるらしい。……正直不安しかないが、猫の手も借りたいのは確かだ。せめて白鳥先生と交友を深めて、何か語ってくれる所まで持っていけると嬉しいのだが。
「明が誰かと付き合ったり結婚でもしてるのならそれはそれで吹っ切れるし、俺に非がないならこれからも親しくしていたい。避けられている理由さえ聞けたら俺はもう引きずらない。」
「……そうね。あの優しい明ちゃんが人を突き放すなんてよっぽどの事だわ。裏になにかあるのかもしれないし……難しい仕事だけど、報酬は大きかったから頑張らせてもらう。」
チェリーさんから貰った、銀行公務員のアルバムを抱えて幸せそうな白鳥先生。どうやら早速、1人連絡を取っているとか。……あそこのスナックはまじでスパイ職なんじゃないかと恐ろしくなってきた。
「さて、気持ち切り替えて頑張りましょ!ただでさえクロちゃんのクラス問題児というか不安な子多いんだから、頑張んなさいよ?」
「……そうっすね。柳原と片井の様子がおかしいのでちょっと掘り下げて事情聴取しないと。」
マイクドナルドの一件があってからどうも2人の様子がおかしい。自分のことばかりではなく仕事に身を入れなければ。
申し訳ないが、一旦明のことは白鳥先生に任せよう。眠気覚ましのブラックコーヒーを一気飲みして、俺はまた日常へと戻って行った。
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