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授業が終わると、ちぃが話しかけてきた。
「晴に話しかけにいこ!
奏里のために晴のこと落としてあげるのが目的なんでしょ?
さっさと終わらせてさっさと自分の学校に戻った方が良いと思うし…」
落とす!?!?
いや確かにそう言われたけど、あんなきれいな人が僕なんかで満足できるはずないっ!!
「うぅ…それ、ほんとにやんなきゃだめなの……?
僕、男だよ?
そもそもできないと思うし、そんなことして奏里が付き合っても意味ないんじゃないかなあ…」
今まで思っていたことを言うと、ちぃはうーん、と考えるような素振りを見せた。
「そうだねー…。
とりあえず、落とすかどうかは別にしてもお話くらいはした方がいいんじゃないかな?
もう入れ替わっちゃってる以上、話しかけないといつもの奏里的に不自然だからさ。」
関わること自体は、別にいいんだよ。
むしろ、仲良くしてみたいくらい。
なん、だけど…
「あの…」
「ん?」
「あんなきれいな人、畏れ多くて、話しかけられない、です…」
そう言うと、ちぃはきょとんとした顔をしてから、大きな声で笑い始めた。
そして、僕の頭をぐりぐりと撫ではじめる。
ウィッグ、ウィッグが!!!
「ぷっ、く、あははははははっ!!
ほんっと、お前はかわいいなーっこんちくしょーっ!!」
「ちょっ、、」
そんなに撫でないで!
おっきな声を出さないで!
かわいいとか言わないで!!
みんな見てるからああああああっ
「はーっ、はーっ、
涙でてきたあーっ!」
おろおろすることしかできない僕は、みんなの視線が気になって動揺しながら教室を見回す。
と。
「あ…」
さっきまで寝ていた晴くんが、目線だけこちらに寄越して、ちぃのことを思いっきり睨んでる。
安眠、邪魔しちゃってる!?
「あの、ちぃ!」
「お?」
僕が目配せすると、ちぃも晴くんに睨まれてることに気がついたみたい。
「あらあら、こっわいねえー!
そんなに睨まないでよ、わかったからさあー」
ちぃは晴くんに聞こえるような声でそう言うと、僕の腕をつかんだ。
ぐいぐい引っ張られて、(認めたくはないけど)非力な僕は抵抗できない。
ちぃ、これ以上晴くんの安眠を邪魔する気なの!?!?
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