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おいで。
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「あああ、あのさ、なんでここ、立入禁止、なんだっけ…?」
階段の先は電気がついてなくて真っ暗。
怖くなってとうとう尋ねてしまった。
「ああ…、ここも昔はマンモス校だったんだけどな、人数が減るにつれて使わない教室が増えたから4階はもう使ってねーんだよ。
ちょっとホコリっぽいかもしんねーけど、誰も来なくていいぜ、ここ。
…っと、前にも話したけどな」
「ご、ごめん、忘れちゃってて…」
「気にすんな」
晴くんは一番手前の教室に入っていった。
僕も晴くんに続いて入ると、そこはなんというか、すごかった。
「なんか…晴く、じゃなくて晴の、要塞みたいだね。
自分でやったの…?」
「いや、友達…ではねぇな、知り合い?腐れ縁のやつ?…とりあえずそいつに手伝ってもらった。」
そこは、机がまるでアートのように積み上げられていた。
教室の入り口に丁度積んであるから、まるでバリケードみたい。
「これあれば、誰も入ってこねーだろ。」
その机の山を器用にくぐり抜けていく晴くん。
僕も続こうとするんだけど、鈍臭くてなかなか…
机を崩しちゃいそうで、怖い。
「…おいで。」
怖がる僕に気付いて向こう側から手を差し伸べてくれる晴くんの表情は、すごく穏やかで…
やっぱり、優しい人なんだな…って確信した。
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