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奏太の激怒
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「…ちょっと!!!!」
「あ、奏…....里。」
「来て!!!!」
「おい、なんだよ!!」
手をぐいぐいと引っ張って晴くんを教室の外に出す。
途中でモーニングホームルーム五分前の予鈴が鳴ったけど気にしない。
周りにいた女の子たちは呆れたような顔をして道を開ける。
1人以外は。
「はい、ストップ」
「!?」
「どこ行こうっていうのかなー。
予鈴鳴ったの聴こえなかった?」
「聴こえたよ。
ホームルームまでには戻ってくるから!」
「ふーん。
晴のこと引っ張ってってどこに行くのかも何する気かも知らないけどさあ、それってあと3分ほどで終わるわけ?」
「終わる!…たぶん」
「嘘くさいね。奏里、さっさと席に戻ったら?」
僕にしては珍しく言い合いになっていると、晴くんがフォローしてくれる。
「北村、あんま奏里につっかかんなよ」
「つっかかってるつもりはないけど?きみたちがホームルームに遅れそうだから注意してあげてるんだよ」
キタムラ…?
きいたことあるような…
「はーい!!やめやめ!!!
みなさんお口チャーーーック!!!」
ものすごい大声で乱入してきたのは、ちぃだった。
腰に手を当てて仁王立ち。
僕と北村さんの間に割り込んで、にーっと勝ち気な笑顔をつくる。
「まったくー。みなさん頭に血が上りすぎだよ?
奏里、北村の注意ももっともだと私は思うな!
奏里さんげきおこぷんぷん丸みたいだけど、2分じゃあその怒りは納まらないんじゃない?」
「……うん。そう、かも」
「あと北村、口調がきっついぜー!!
晴がつっかかってるって言うのも無理ないよ!」
「…うるさいな」
「あはは、ごめんごめん!!
ほらー、こんなことしてる間に先生来ちゃうよ?
みんな席つこっか!」
北村さんは舌打ちをして僕を一瞥してから去っていく。
晴くんは僕を心配そうな顔で見て、名残り惜しそうにしてから
「また昼、話そう。聞くから」
と言ってきた。
僕たちの言い合いを見ていた人たちは、事態の収束に安堵したようで、みんな苦笑しながら教室へ。
その様子を見て、僕はみんなに迷惑をかけてしまったことに気付く。
「ちぃ、ほんとごめん…あと、ありがと」
「あはは、いいんだよー!
……頼まれたし、ね」
そう言ったちぃは何かを危惧してるみたいに考え込み、ホームルームが始まっても黙り込んだままだった。
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