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好きなヤツ 千夏side
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「好きなヤツ、できたから」
そう堂々と言い切った晴。
「わーお…知ってたけど、まさかそれを言っちゃうとはねぇ」
そのまま晴は教室を出て行き、クラスは騒然としていた。
「好きなヤツ…!?
あの晴に!?」
「誰…!?」
「今まで相手したことのある誰かじゃない!?」
醜い争い。
ほんとは「きっと私ね!」なーんて思ってるのがバレバレですよ?
みんなアホだなあ…
ふっ、と笑みが零れたところを、1人が目敏く見つけ出した。
「ちょっと、千夏!?
何笑ってんのよ!!あんたもしかして、知ってんの!?!?」
しまった。
知ってるといえば知っている。
どう考えても奏太くんだ。
でもこれを知ってて良いのは、きっと晴と奏里だけなんだと思うから、全力でしらばっくれることにした。
「いや、知らないよー!
まさかあの晴に好きな人ができるだなんてって、微笑ましくなっちゃってさ!」
「嘘ついてんじゃないでしょうね!?
どうせ知ってんでしょ!?!?」
何度否定しても、なかなかに女子はしつこい。
ここは彼女たちの標的をズラす戦法に出よう。
「ほんとに知らないって!
…あ、もしかして、奏里なら知ってるんじゃないかな?」
このとき奏里を売ったことを後々後悔することになるとは、露ほども思わなかった。
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