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じゅうご。
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「じゃあ、指切り」
小麦は小指を俺の前に差し出す。
なんか、小麦のこういうトコ好きだなあ。
大人びて見えるけど、子供っぽい所もちゃんとある。
俺は自分の小指を小麦の小指に絡めて指切りげんまんをした。
子供の時以来だなあ……
「何、子供っぽいコトしてんの?」
マサハルさんが戻ってきて、俺は無事に水を飲めた。
「点滴終わったら帰っていいよ。」
その言葉にホッとした。
入院とかなったら小麦にまた迷惑をかける。
「はい」
俺は返事をして、点滴が終わるのを待った。
◆◆◆◆◆
「リン、ちょっと待っててタクシー呼んでくるから」
点滴が終わり、俺は待合室の椅子にぼんやり座って小麦が玄関を出て行くのを見送る。
シーンとしている待合室。
もしかして、休みだったのかな?
そうだったらマサハルさんに悪い事しちゃったな。
マサハルさんにお礼言わなきゃ……
俺はフラリと立ち上がったものの、目眩で身体が崩れた。
「危ない」
その声と一緒に誰かの腕が俺の身体を支えた。
一瞬、マサハルさんかと思って支えてくれた人を見た。
直ぐに違うって分かった……
白い肌に金色っぽい瞳。
そして、外人さんかな?って思うくらいに彫りが深くて綺麗な顔。
銀色に近い長い髪。
女の人?
でも、「大丈夫ですか?」と聞いてきた声は男性のモノだった。
「は、はい」
返事をすると、良かったって言って微笑むその人。
綺麗だなあ。
しかも、身長高いなあ。
小麦より、ちょい高い………
ああ、くそ!なんで俺ってこんなに小さいの?
「本当に大丈夫ですか?」
その声にハッと我に返った。
「だ、大丈夫です。すみません」
と俺はその人から離れた。
「そう?顔色が良くないですよ?」
綺麗な笑顔のその人は俺の頬に手をあてる。
フワリと良い香りがした……。
甘い……なんの香りかな?
「熱ありますね」
手のひらに俺の体温が伝わったのか心配そうにそう言った。
「点滴したから大丈夫です」
「苦しそうですね。………」
頬にあてられた手のひらは額へと移動する。
なんだろう?凄く………懐かしいような?
「治してあげたいです」
その人は俺の耳元に唇をあててきた。
ん?
あれ?
俺……なにされてんの?
「リン…………もう直ぐ迎えに行くから……」
そう囁かれた。
えっ?
驚いて顔を上げるとその人はもう居なくて……
んん?
あれ?
熱………上ってる?
俺はその場に座り込んだ。
「リン!!」
小麦の声だ。
「小麦……」
「そんな所に座り込んでどうしたんだよ?」
腕を掴まれて立たされた。
ああ、そうか床に座り込んでたんだっけ。
足がもつれて小麦の方へ倒れ込む。
「また熱あがった?」
「ううん、ちょっと足がもつれて……」
顔を上げれば小麦の顔が近い。
いつもながら、これにはまだ慣れない。
小麦も綺麗な顔してるよねえ。さっきの人も綺麗だったけど……
あっ、あの人誰だったのかなあ?
入院してる人?それとも、病院のスタッフ?
「リン、タクシーまで歩ける?」
「うん」
小麦が俺を支えて歩き出す。
「あれ?リン、香水つけてた?」
「えっ?」
「甘い匂いがする」
小麦は俺の耳元に鼻を近付ける。
「ここからするけど?」
あ……、そこってあの人が触れた場所?
残り香かなあ?
「……………りん、大丈夫?」
「大丈夫だよ?」
「何か見たり、触ったりしてない?」
「何それ?」
「霊的なものだよ」
霊的なもの?…………影虎以外みてない。
「みてないよ?どうして?」
みてない。って答える俺をじっーとみて、
「それならいい」
って小麦はまた歩き出す。
◆◆◆◆◆
「リン、ちゃんと薬飲めよ」
部屋に戻り、ベッドに寝かせられている。
「う~~、やだあ」
俺はシーツをかぶって抵抗。
迷惑かけてるけど、でもやっぱ影虎見れなくなるのはやだ!!
だって、ずっとベッドの側で俺を見てパタパタ尻尾振ってくれてるんだよ?
めっちゃ可愛いやんけえ!
「くそ、リン」
シーツの向こうで少し怒ったような小麦の声。
そして、勢い良くシーツを剥がされて、腕まで掴まれた。
「やっ!」
掴まれてベッドに仰向けに押し付けられる。
小麦ってバカ力だ。
まあ、俺も非力だけど。
そして、小麦は俺の顔を片手で固定すると、唇を押し付けてきた。
えっ?チュウ?いきなりチュウ?
でも、普通のチュウではなくて舌と一緒に液体が………
「んっ、ふっ……」
俺はバタバタと足をばたつかせて抵抗。
薬の味がしたから。
飲み込みたくないけど、小麦の舌が絡んできて………気持ちよくなって………
いつもの間にか薬を飲んでいた。
小麦の舌は俺を気持ち良くしてくれる。
すごい……きもちいい。
気持ちいいのに、唇が離れた。
「なにその顔?物足りない?」
俺を見下ろしてニヤニヤしている小麦。
物足りない顔してんの俺?
「もっとしてほしい?」
小麦の顔が近づく。
うん………してほしいかも。
小さく頷くと、小麦の唇がまた俺の唇を塞いだ。
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