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【篠原くんをご指名】
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音楽があればそれでいい。
…なーんて、そんなことも言ってらんないのは、俺が性処理委員になっちゃったから。まあ、自業自得だけどね。サボリすぎた自分がわるい、悪いけど、この学校のアリエナイ制度に自分が巻き込まれる日がくるなんて思ってもなかったから、ほんっと、最悪。
男なのに男のチンコしゃぶって、男なのに男に犯されて、挙句それに感謝しろって?
アリエナイ、アリエナイ、アリエナイ、嫌だ。
みんな「ありえない、嫌だ」って思ってるから、性処理委員にならないように必死になって頑張ってる。自分から進んで性処理委員になりたいなんていう物好きは、村井ぐらいだとおもう。…森本?森本は別でしょ。あの子もおバカだよね、そんなことしたって植野の気は引けないと思うよ。とか、まあ、言わないけどね。
「明ちゃーん、バトンタッチ!」
「…何が。」
「俺今日処理しまくってケツがっばがばだからさ、明ちゃんと交代してって言われちゃったわ!」
なにが面白いのか、村井が笑いながらそういった。ここは性処理委員の休憩室、俺はこのあと直ぐに、軽音部の後輩の処理をしなければならない。だから無理。連続処理なんて日常茶飯事だけど、後輩の後は…誰の処理も、したくない。
(女々しい。仕事なのに)
仕事なのに。仕事だから抱いてくれる後輩に、俺は、
「ダメ?」
俺の返事がないことに、村井は苦笑をこぼしながら首を傾げた。お前あざといね、そんな顔されちゃ、俺が断れないの知ってるくせに。
「先に、井岡の処理あるから。待って貰って。」
「まぁじー?やったぁ、明ちゃんサイコー!ありがと!」
「それから、痩せ我慢しないで寝なよ。お前顔色悪い」
村井は無茶ばかりしてる。バカだの淫乱だの言われているけれど、それを上回るほど無茶をしているのは、同じクラスの俺だからわかること。
性処理委員の人気は、結構な頻度で変動する。一位だけは揺らがない、絶対に園田が一番人気。よく生きてるなぁ、と思うほど体を酷使してるのは、誰がみてもわかる。元から細いのに、最近ますます痩せたんじゃないかな。あいつ。そんな園田に処理を頼む人たちは、一体どういう心情なんだろう。少しぐらい休ませてあげようとは思わないのかな。本人はへらーっと笑って「仕事だからな」というけど、そんな理由で割り切れるようなことじゃない。きっと、いろいろ事情があるんだろう。俺は知ってるよ、去年まで園田は「優等生」だったことを。どうして留年なんかして性処理委員なんてやってるのか、別に聞かなくていいことだから聞かないけど。
そんな園田についで人気があるのは村井と森本と関、そして何故か、俺。
なんで俺なんだろう。なにも考えたくないから、淡々と処理をしてるだけなのに。とくに依頼人と口をきくわけでもない、喘ぐわけでもない、「やれ」といわれたことを「やってるだけ」なのに。
村井よりはまだ処理する人数はすくない。それは村井が、俺に来た処理の依頼を代わりにこなしてくれるからなんだけど。本人は「勉強よりセックスがしたいだけだから、明ちゃんのお客さん横取りしてるだけだよ?」とか言ってるけど、それは本心なのかなんなのか。どっちにしろ、連続処理で疲れないわけがない。疲労が表情に出てる村井の頭を軽く撫でると、「やだー!彼氏みたい!」とかなんとか、バカみたいにおちゃらける。俺ね、お前のそういうとこ、嫌いじゃないけど、好きじゃないな。
「…ごめんね、明ちゃん。井岡くんの後にこんなこと頼んじゃって」
「なにいってるの。井岡の後だとか関係ないから。」
そしてなぜか、俺の気持ちは村井にバレている。こんな気持ち悪い感情を、誰かに言ったことなんてなかったのに。
「明日、食堂のカツ丼奢ってくれたら許すよ」
「限定ビックカツ720円のほうのカツ丼奢ったげるよ!」
「そーこなくちゃ。じゃ、俺処理してくるから。」
時計をみると、もうすぐ14時になろうとしていた。処理が理由なら授業を欠席しても、欠席とカウントされないというなんとも都合のいい制度のあるうちの学校、授業中の処理依頼なんてよくあることだけど、一回授業サボったりしたらなかなかついていけなくなってしまうほど、この学校の勉強内容は難しい。それなのに授業サボってまで俺とヤりたいという後輩、嬉しいやら、悲しいやらで、苦しいな。俺の気持ちは、言わない。あいつも知らない。あいつは俺を、軽音部の先輩、から性処理委員の一人、としてみるようになった。「篠原さん、セックス…いや、処理お願いします」と言って笑ったあいつのあの顔を、忘れられない。
わざわざ処理と言い直したあいつの顔、を。
「明ちゃん、お尻向けて。ちゃんと慣らしていかないと」
「…いいよ。さっきも処理してきたからもう十分解れてる。」
「うっそだー。だってホワイトボードに、お尻使ってないって書いてあるもん」
ほんっと良く見てるなこの子は。
今日は処理をした。たくさんした。でも珍しく、「フェラだけして」だとか、「一緒にズって」だとか、そんな内容ばっかりで、アナルには一度も挿れてない。今日初めては、井岡。それだけで胸が痛い、そんなことを思っていた。
「ローション、使ってあげるから。ズボンぬいで」
「…自分でできる」
「俺がやってあげたいの!…ダメ?」
…だからそれ、ズルいよ。
ふう、とため息をひとつ。そしてガチャガチャとベルトを外して、ズボンを脱いだ。ソファに腰掛けてる村井の上に跨がるように膝立ちをすると、村井は自分のズボンのポケットからローションを取り出して、慣れた手つきで片手でフタを開けながら、俺のパンツをズラす。そういえば、女好きだったって聞いたことある。ワックスで綺麗に形の作られた村井の髪を眺めながら、次にくるだろう指の挿入に身構える。
ねちゅ、ねちゅ、と、手のひらでローションを温めた村井は「いくよーん」と気の抜ける声で言って、アナルに塗りつけてきた。…やっぱり冷たくない。
「痛かったら言ってね?」
「あのさ、痛いわけないでしょ」
「それもそーかぁ。いれるよ」
にゅる、にゅる、と入口をなぞっていた指が、つぷ、と中にはいってくる。ぞくっ、と背筋が震えて、村井の肩に置いてた手に力が入る。…腹立たしいことに、性処理委員になってから、アナルが気持ちいいことを知ってしまった。まあ、依頼人のテクニックによるけど。
さすが、同じ性処理委員なだけある。それか、さすが元女好き、とでもいうべきか。村井の指は気持ちいい。痛くない。いつも乱暴に、適当に慣らして処理に挑む俺とは大違いだ。
「っ、く…ん。」
「気持ちいい?チンコ勃ってきてる」
「そういうの、いいから。早く」
ぐちゅ、ぐちゅ、とローションの音が響く。あー、もう。あぁ、もう。なにやってるんだろ、なにやってるんだろ俺。そんな気持ちになるのをぐっと我慢して、村井の指が増えていくのを受け入れる。
二本、すんなりと入った俺のアナルは、ぐにぐにと拡げられて、中を擦られる。ちょっと、本格的にスイッチはいっちゃうからそれぐらいでいいよ。
「三本目。これで多分、いきなり挿れられても痛くないはず!」
じゅぷ、ぐちゅ、くちゅ
えっろい音だな、なんて他人ごとじゃないのに、村井にしがみついて快感に堪える。内腿が震えていることが自分でも分かるし、もうだめ、勃起しちゃってるし。とんでもないテクニックもってるね、村井。
「あ、ん、…っ、ッ!も、いい、」
「んー。はい、終わり。」
じゅぷっ、と指を一気にひきぬかれて、それにすらも反応する体。こんな、男なのに、こんな…。男に犯されにいく準備をしてるなんて、笑えるね?
大きく一度深呼吸をして、ソファから降りる。勃起してしまったからズボンもパンツも履けない。
解して勃起したから、シャツ一枚で処理に向かう、なんて、処理委員の中ではよくあることだけど、俺はあんまりしたくなかった。だって「犯してください」って視覚的に訴えてるようなモノだから。でも、まあ、仕方ないからズボンをひっつかんで、ウォークマンを取り出した。イヤホンを耳に差し込んで、音楽をかける。
「ありがとね。じゃ。いってきます」
「がんばってねー!」
ひらひらと手を振る村井に背を向けて、ぱたんと部屋のドアを閉めた。向かうは放送室、井岡はいつも、防音設備完備のそこに、俺を呼び出す。
今から井岡に犯される。想像するだけだ、きゅ、とアナルが締まった。俺、すっごく気持ち悪い。
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