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第1章:アップルチーク(2/2)
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葵の唇に自分の唇を軽く重ねる。
少しびっくりしたように俺を見つめる葵の手を引いて、コンビニへと足を再び向ける。
「寒いし、早くアイス買って帰ろう?」
「…ん、そだね」
素直に小さく頷くとぽてぽてと歩き出した葵。
こんな些細なことなのになんでこんなに嬉しいんだろう。 愛おしいんだろう。苦しいんだろうか。
小さな葵を見下ろしてはそんなことばかり考えていた。
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「ただいまー、僕のお部屋」
「一応、俺の部屋だからね?」
「はいはーい…僕たちの、お部屋でしょ!」
「"はいはい"はこっちの台詞だっつーの」
木造築10年、家賃6万円。
駅からは徒歩5分、俺が通う大学までは徒歩15分だ。
中々いいところにあるこの部屋を俺はすごく気に入っている。
部屋に入れば、ストーブとコタツの電源を入れて、葵の脱ぎ捨てられた制服をハンガーにかけてやる。
母親みたいなことをしてるみたいだけど、葵は葵でちゃんと家事をこなしてくれてる。
炊事は葵の仕事だ。
料理だけは上手いから安心して任せてる。
部屋着にエプロン。
そんな姿で台所に立つ葵を見るのも今日で何回目だろう。
なんか…変に似合うんだよなー…
「けーくん、今日はトマト鍋にするね! シメはオムライスにする!」
野菜を切りながら、張り切る葵に胸キュンッと狭くなる。
ほんと、可愛いなー。
馬鹿みたいに恋してる自分に恥ずかしくもなった。
「なぁ、葵…?」
「…っけ、くん?」
いてもたってもいられず、後ろからぎゅっと抱きしめた。
いきなりだったせいか、見事に声が裏返った葵。
「声、裏返っちゃった…恥ずかしい」
真っ赤に染まった耳は、それくらい恥しかったことを現していた。
「葵…こっち向いてよ」
「…え、やだよ! 顔赤いもん…」
「いいからって、」
少し力ずくで、向かい合わせにさせる。
いつも以上に顔を真っ赤に染める葵がいた。
なんか、可愛いはずなのに…エロい。
「もー、けーくんの意地悪っ」
涙ぐむ葵の林檎みたいに真っ赤な頬に口付けを落とす。
「意地悪で結構…」
…大好きだよ、葵。
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