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第1章:ばいばい、悪夢さん(2/2)
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「もう、大丈夫…何も怖くないよ」
けーくんの言葉は魔法みたい。
コクリとひとつ頷いて、胸元に顔を埋める。優しいお日様みたいな香り。
「ね、けーくん?」
「ん?」
「好き…」
「うん」
「好き…大好き……」
「うん、分かってるよ」
「…けーくん、大好き」
「俺も大好きだよ」
けーくんはいつも僕のほしい言葉を欲しいときにくれる。
震えがいつの間にか消えていたのもやっぱり、けーくんの魔法のおかげ。
けーくんが僕の隣にいてくれるから。
「また怖い夢見ても、俺がちゃーんと…」
けーくんは寝惚けているのかモゴモゴと小さく口を動かす。
眠そうに潤んだ目を見ていたら、僕も瞼が重くなってきた。
ぎゅっと服を掴んでさらに顔を埋めれば、抱きしめる力がより強くなる。
けーくんのいい香り。
けーくんの呼吸の音。
額にはけーくんの茶色い髪が擽ってくる。
「…け、くん」
ねぇ、けーくん知ってる?
きっと知ってるよね…。
僕ね、けーくんの全部が、大好きなんだよ。
でもまた明日、伝えるね。
おやすみなさい。
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