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後悔あとを絶たず
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なんであんなことしたんだろう…
里見はため息をついた。
なにをしてもあの人の恐がった顔が頭に浮かぶ。
折角、会えたのに…
またしても逃してしまった。しかも今回は決定的に向こうから会ってはくれないだろう…もし、万が一、俺の思いが通じて、偶然どこかで会えても逃げられてしまうだろう…
(はぁっ〜)
里見は机に広げていただけのノートをトントンと整理して、鞄を持ち、立ち上がった。
「きゃっ!」
立ち上がった瞬間、小柄な人がすぐそばにいて、ぶつかりそうになった。
「ご、ごめん。」
いつもなら人にぶつかるなんてあり得ないのに注意力散漫だなと思いながら、手を合わせた。
「い、いえ…」
茶色の髪をクルクルと裾だけ巻いた小柄な女の子は赤い顔して、更に小さくなっていた。
里見は基本、女の子には関わらないようにしている。
特にこういうファッション雑誌をお手本にして、THE女の子にはいつも困ることが多かった。
「そう…じゃあ。」
そういって里見はその場を去ろうと歩き出そうとした。
「ま、待って、勝谷くん。」
女の子に背を向けていた里見は立ち止まって、こっそりため息をついた。
「なに?」
里見は顔だけ彼女に向けてた。
「あ、あの…お祭で見ました。」
「…」
彼女のつけている強い香水が鼻についた。
「あの…タキシード、とってもカッコよかったです。」
「どうも。」
里見はモジモジしている女の子に言葉を返して、再び背を向けた。
「あ、あの!」
女の子は高い声を上げた。
「勝谷くんが…連れて行った人のことなんだけど…」
その言葉にすぐに振り返る自分がいた。
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