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間接キス。
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会社の屋上のテラスは広いし綺麗だ。
桜の舞う季節には丁度いい場所。
これからお昼ご飯を食べるわけだが。
うん、半分こって、どうしたら良いんだ…
いただきまーすとか言って食べ始めたキヨ、礼儀とか一々ちゃんとしてるよなあとか思いつつ、俺もハンバーグ弁当を開けたわけだけど。
半分まで…これを食べるだろ?そしたらそれをキヨが食べて…キヨが半分食べたオムライスを俺が食べる…?
これは…間接キス…?
おかしい…今までそういうの1ミリも気にしてなかっただけに…今更こんなに気になる自分がおかしい…
普通にキヨの飲んだペットボトルの水とか飲んでたじゃんか俺…!!
あの時の俺戻ってこい…
「どしたの?食べないの?」
「あっ、いや!食べます食べます!」
「……?」
あ、やばいキヨが不思議そうな顔してる。
気にすんな俺。これはキヨにとったらなんでもない事なんだ、俺なんて子供だと思われてるんだきっと…
って、ネガティブは良くない…もういい…食べよ…
「いただきまーす」
「どうぞ、召し上がれ。」
「あ、どうも」
「ふふっ」
くそ…キヨかわいいな…
ぱくっ
「ん!!うまい!」
やっぱりハンバーグって美味しいなー
ぱくぱく ぱくぱく
「裕基くんはほんとにかわいいね…」
「んえ!?…ゴフッゴホッゴホ…」
危ない…口からハンバーグ出しそうだった…
「え、ちょっと、大丈夫?」
「ん…大丈夫大丈夫っ」
「ほらこれ、水飲みな?」
「うん…ありがとう…あの…」
「ん?」
「俺が…かわいいってなんで?」
あんなに優しい笑顔でかわいいとか言われたら、そりゃあ、誰だって気になるよ。
「だってさ、ハンバーグとオムライスで迷ったり、どっちも買おうっておれが言った時の笑顔とか、ハンバーグ食べた時の幸せそうな顔とか見てたら、かわいいなって。自然に口から出てた…」
「ふ、ふーん…」
「あ、男にかわいいとか言われても嫌だよね、ごめん…」
「そ!そんなことない!」
「そう…?」
「うん…」
とか言って2人で赤面してる場合じゃない…けど…キヨがそう思ってくれたことが素直に嬉しくて、顔が、体が熱くなった。
「たっ、食べよっか」
「あ…うん」
「はいこれオムライス、おれ半分食べたから残り裕基くんのだよ。」
「あ、ありがとう」
ついに…間接キス…
「うん。」
キヨの食べかけのオムライスを一口分スプーンで取って、ゆっくりゆっくり、口に運ぶ。
ドキドキが止まらないまま、スプーンは口の中へ。
ぱく
「うまい…」
「ね、コンビニのオムライスも結構美味しいね。」
「そうだな…」
「お、ハンバーグも美味しい。」
「うん、美味しかった」
俺はそれ以上に胸がいっぱいだけど、2人で半分こも結構良いな…
「2人で半分こするのも結構良いね」
「…同じこと思ってた」
「ほんとに?」
「うん」
「今度も迷ったら、2人で食べよ」
またキヨの笑顔が見れた。
「そうだな…」
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