アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
僕の幸福理論
-
「……そうだ」
ふと思い出したように呟いた僕を、そばに座っていた先生が不思議そうに見てきた。
「ヒトミに連絡しなきゃ。」
きっと心配してくれている、僕の大好きなヒトミ。
「それで、お見舞いに来てもらうついでに、勉強のこととか教えてもらわなきゃ。」
勉強を教えてもらう間は、ヒトミを独り占めもできるんだ。嬉しい。
ヒトミのことを考えただけで、胸がほわほわして楽しくなった。
でも、それと一緒にズキズキする。
やっぱり僕は、なにか大事なことを忘れてる。
それでも、ヒトミに会いたい。
そう思えたから、僕は携帯でヒトミに連絡しようとした。
「……あれ、どこだ…?携帯携帯………ない?」
家にでも置いてきちゃったのか?
どっちにしろ、これじゃヒトミに連絡がとれない。
「お、俺がヒトミくんに伝えておくよ。一度見舞いに来て欲しいのと、その時ついでに勉強を教えて欲しいんだよね?」
…なんか先生、焦ってる?
そう思ったけど、その申し出は有難いと思ったからお願いした。
「じゃあ、ヒトミにいつでもいいから来てって伝えてください。あと、ノートとかも写したいから持ってきて欲しいです。」
「わかった。ちゃんと伝えておくよ。」
ヒトミに会える。
ヒトミ。
ヒトミ。
早く、会いたいよ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
62 / 112