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心配やねん。
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「38度…」
正確に言うとほぼ39度に近い。
インフルエンザ?関節痛い?
あれからうーうー唸ってる悟の脇に体温計突っ込んで、氷嚢作って頭冷やして、水飲ませてってやってるうちにピピピ…。
案の定かなりの熱。
「仕事いかんと…」
「何言うてんの、流石にこんな熱、無理やって!」
「でも…今日から新しい雑誌の表紙…ううっ」
「ほら、とにかく寝て。俺から鈴木さんに連絡してみるから」
返事もできんくらいキツいくせに、仕事にはシビアな悟。…そんなとこも好きなんやけどね。
部屋を出て鈴木さんに事情を話すと、今日は打ち合わせだけにしてもらうから休ませてくれという返答やった。さすが出来るマネージャーさん。
ありがとうございますとお礼を言って直ぐに悟の元に戻った。
やっぱり無理やって、顔も赤いし、目も熱でウルウルなってるし、眉間の皺なんてさっきから消えることないし。
「悟ー、鈴木さんが今日は打ち合わせだけにするからしっかり休みなさいって。よかったな」
「ううっ情けない…」
「ほら、ちゃんと寝よ?」
「…そや、ゆーき、」
「ん?」
おでこに冷えピタを貼ってあげると気持ちよさそうな顔で、それでも一瞬真面目な顔になって僕の手をそっとどけた。
え??
「はよ帰って」
「え?!」
思いもしない台詞に本気で焦る。今なんて?
「もう出てってこっから…」
「え、なんで?」
なんで?なんでそんなこと言うの?悟の飲み込めないその言葉に明らかに動揺してしまったのか、寧ろ悟にずいと近付いた。
ゴホゴホと咳をする悟。あかんってわかってても、そんな悲しい台詞、イヤや!って悟の顔を覗き込んだ。
「ちゃ、ちゃうよ友希。風邪移ったら大変やから…友希までキツい思いさせたくないねん。頭回ってなくて…ごめんねキツい言い方なって」
「え」
「も~嫌いになったとか思ったん?冗談やろ?嫌いになるわけないやん」
熱で頭クラクラやのに、手を伸ばして頭をなでなでしてくれた。
ごめんな?って。
「悟ぅ…大好き」
「ちょ、あかんって」
「え、何が?」
「結構体痛いのに、友希がそんな可愛いこと言うたら、手ぇ出してしまいそうなるやん」
「んへへ、ごめん」
めっちゃ男前なこと言って、優しい仕草で俺をつつみこんでくれる。
さっきはきつかったんやろな。手を叩かれたと勘違いしてもうたけど、よく考えたら起きてるだけでも辛いやろし。
「ほなら、帰る…」
「うん。一応風邪薬飲んどいてな?」
「うん、わかった」
「ゆーき、」
「なに?なんか欲しいもんある?」
立ち上がって布団をかけ直してあげる。
「治ったらちゅーして」
「…うん。いーっぱいしたるから、せやから、はよ治して?」
ほんまに、ほんまにもう悟が元気になるんやったらなんでもするから。
今度は悟がうへへと笑って、直ぐに寝息が聞こえてきた。
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