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なにがどうなってこうなった? 10
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何も考えられなくて、でも朝が来ればまた仕事が待ってるわけで、僕はぼーっとしたまま自分の家に戻った。鍵穴に鍵が入らんくてかちゃかちゃと重なる音がしてからやっと鍵が開く。
真っ暗な部屋に入って、鍵を定位置のハートの籠に入れて靴を脱いだ。
「はあ、友希・・・」
どこ行ったん・・・。
たった一日会わなかっただけなのに、淋しくて淋しくてたまんない。それは僕だけなんかもしれへんけど、友希不足に陥ってる。
友希曰く生活感の全くない部屋に入ってぱちりと電気を点けて、リビングに唯一あるソファに体を沈める。
たった今まで暗闇に慣れてた目には部屋の明かりは痛くて、
「もう寝よ」
友希に電話をする勇気がないヘタレた僕はソファにかけてあった部屋着に着替えた。事務所で撮影の後にシャワーは浴びてきた。綺麗な状態で友希に直ぐに会いに行きたくて。
・・・それも無駄に終わったけど。
情けないにもほどがあるなと頭を掻きながら寝室に向かった。
今日はなんだか冷え込む。
友希と付き合うようになる前からほとんど毎日友希の家に入り浸ってて、ほんとに自分の家には寝る為に帰るだけの生活だったから、寝室にはベッドしか置いてへん。ほんまはそれやって最近必要あんのか?とか思っていたくらいなのに・・・。
「あかん、なんか考え暗くなる・・・」
とにかく明日朝になったら友希のとこに行ってみよう。帰ってないかもしれへんとかそんな怖いことは考えへん。考えるの拒否や。
カーテンが半分開いていたため、部屋は薄明るい。電気も点けずにベッドに辿り着いて、薄いシーツに手をかけて潜り込んだ。
その時、
「ん・・・んぅ」
「・・・えっ!?」
「さとるやぁ・・・」
「え、友希!?」
こつんと何かに足が当たってベッドに潜り込むはずだったのが遮られた。そしてそこには、丸くなって横たわり目を擦る友希がいた。
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