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ゆけむり物語 13
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社長と諒ちゃんを確認した友希は慌てて立ち上がって、隣のテーブルに行く。
「おはようございます。奇遇ですねえ、旅行ですか?今回は悟にお休み頂いて、ほんまにありがとうございます」
出来た友希はぺこりと頭を下げてふにゃりと笑う。ああっ、そんな笑顔見せたらあかんって!絶対なんか企んでんのやから!
「諒も来てたんやぁ、言ってくれたらよかったのに」
「いや、ほんまに昨日の夜ここに来るって聞いてな、まさか友ちゃんが来とるとこって知らんかってん」
「そうなんや」
「そうそう、昨日突然決まってな、友希君。お邪魔やったかな?」
「そんなことないですよ」
そう言いながらにやりと笑った。
結局そのあとは一緒にご飯を食べて(僕はほんまに嫌やったんやけど、友希がやたらと嬉しそうやったから断れんかった)その後部屋に遊びにおいでという社長の誘いをがっつり断ってから部屋に戻った。
どっと疲れが。ばたんと床に倒れ込んだ僕を心配そうに友希が寄ってくる。
「どうしたん?悟」
「友希・・・なんであの人たちおんの」
「さあ?遅い夏休みって言うてたやん」
「そうやなくて、なんでその休みにここに来てんの~」
「鈴木さんの親戚の人やからやない?」
あかん、友希は社長に対してなんの疑問も抱いてない。そらそうか、あの大人子供の悪行の数々を知らんのやから。それにしても更に不思議なのは諒ちゃんや。あの人が大人しく社長の画策に乗るとは思えん。
・・・邪魔しに来たか。
諒ちゃんは友希が好きやった。いや、正確に言うと今もどこかしらで好きな気持ちを隠してると思う。社長はそれを知ってても尚、諒ちゃんと付き合い始めたんやと思う。(こういうところは僕の方が勘がええんやで)
だから、何かあれば邪魔してやりたいと思うのは自然の事。社長は大人やし、自信家やし、諒ちゃんが自分の方を向くってわかってるんやろ。だからその気持ちも隠さんとええよて言うてるはずや。
友希の腕をぎゅうと掴む。ん?って僕の髪を撫でながら覗き込んでくる友希を抱き寄せた。
「友希、離れんといて」
「あは、なに言うてんの?」
「あの人らに邪魔される」
「人聞き悪いなぁ」
友希にでこぴんされた。
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