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それから10分。いや、20分かな。
「あのさぁ……。僕、セックス以外は丸っきり運動神経無いんだけど」
「あれを運動って見なすなら十分だろ…。ほら、思いっきり飛べば大丈夫だから!」
一階の入り口は全て廓の遣り手達が見張ってる。
そう告げた蓮は、事もあろうか廓の側に植えられた大きな木に僕を登らせた。
あり得ない。
「ヤダ。」
「ヤダじゃないって…。処罰を受けるのはあんたなんだぞ?」
「じゃあ聞くけど、僕はここから落ちたらどうなる?」
「……多分死なない程度に骨折した上、伊月から説教される」
「うわ……最悪」
二階の窓を開けて身を乗り出した蓮と野良猫みたいに木に登ってる僕は大体同じ高さにいる。
そして二人の間には1メートルちょっとの空間がある。
……無理だから。どう考えたって僕には無理。
助走を着けられない上足場も悪い所から跳ぶなんて……。
「雅、俺を信じて……」
「!蓮……」
諦めかけた僕の様子に気づいたらしく、蓮があんまり真剣に言うもんだから……馬鹿が移ったのかもしれない。
窓際から伸ばされた彼の手を掴んでタイミングを図る。
チャンスは一回。結果は天国か地獄のどちらかだ。
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