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「ん……ん?……、蓮ー、くすぐったい…」
「れん……?」
「え?……あー!今何時!?」
薄っすら開けた目に映り込んだ男の体に陽の光が射している。
これは本当にマズい。
すっかり明るくなったホテルの部屋の様子は門限をとうに過ぎている事を意味付けた。
「もうすぐ5時だが…、何をそんなに慌てている?」
「僕達には門限があって、それを破るとキツい罰を受けるんだよ!」
「!なら俺も言って事情を…」
「余計に悪い!裏引きしたって思われるだろ!?あぁもう!悪いけど先に行くよ!?花代はいらないから、ホテル代くらい払ってよ!じゃあね!」
「っおい、あんたの名前───」
先に服を着た僕は、男が何か言い終えるのを待たずにホテルの一室を飛び出した。
そしてうんざりするほどの快晴を見上げて溜め息を吐く。
────絶対処罰を受けさせられる。
なんならこのまま足抜けしたっていいんだけど、生憎頼る宛ても行き先もない。
だったら戻るしかないよなぁ。
重い足取りでとぼとぼ歩いていた僕がとうとう廓の裏まで来た時、頭上から聞き慣れた声が控えめに僕を呼んだ。
「おい…、雅…!」
「蓮…!?」
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