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すぐそこにいる
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譲は、トイレのドアのすぐ外にいるようだった。
気配がした。
遠ざかる足音もしなかったから、すぐそこにいるのだろう。
トイレのドアの外には、銀色の半球型の小さな手洗いボウルと、その上の壁に鏡があって、小さく仕切られた手洗い場になっていた。
ブルーと水色とグリーンのタイルがモザイク状に鏡の周囲の壁を飾っていたのを覚えていた。
きっと、そこにいるのだろう。
たぶん扉に寄りかかるくらい近くに。
まさか、ドアの隙間から覗いていないよな?
譲は、家のマスターキーを持っているらしいから、トイレも開けられるのかもしれない、と思うと、落ち着いて便座に腰掛けていられない気がした。
下半身裸で、上半身に身につけたセーラー服は丈が短いので、隠しようがなかった。
手で、隠しながら、ともかくも、無事、排便を終了し、トイレの水を流して、ほっとすると、「コンコン」とノック音が聞こえた。
「はい」
「もういいかい?」
「まあだだよ」
僕は臭気が気になった。
どんな恥辱を与えられるかもわからないので、用心したのだ。
「開けちゃうよ」
「え?」
ガチャと鍵が回った。
やっぱり、マスターキー! トイレまでだった。
ドアを開けた譲がニヤニヤ笑いで戸口をふさいでいた。
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