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テストという名の壁。
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あの写真事件(?)から数日が経った。
知り合いからは特になにも言われなかったため、そんなには広まっていないのだろう。多分…
そろそろ暑さが増してきた季節。近々梟谷グループでの合同合宿がある。今回は1校加わり、宮城県の烏野高校が参加するらしい。
木兎は無駄に盛り上がって、楽しくなるぜヘイヘーイと騒いでいる。
しかし、その前にあるのが期末テスト。
こればかりは何年生になっても面倒くさい行事である。
「テストめんどくせぇ…」
つい口から出た。それを聞いた赤葦は木葉の顔を少し覗き込んだ。
「まさか、赤点取りませんよね?」
「はぁ!?いやいや、取らねーよ流石に…一応勉強はして…るし…」
「ちょっと心配です。」
「後輩に心配されたかねーよ!てかお前は!?」
「今回赤点取ってもいいように、中間で貯金しました。」
赤葦はキリッとした顔で言う。
いやそんなドヤ顔で言われても…
「変なところで準備万端なんだな…」
「用意周到って言ってくださいよ。」
次の日、テスト1週間前になるため部活は休みであった。
なので、3年生で勉強会をしている。が…
「なぁーこの問題わっかんねーんだけど」
「ちょっとは自分で考えろよ!」
早速空気を乱す木兎。予想はしていたが。
うるさい木兎、そして進まない課題。
ぶっちゃけ赤葦に助けてほしい。しかしそれは叶わない…赤葦が3年だったらどんだけラクなんだろう…
そうこうしているうちに時間は過ぎ、空は少し暗く、帰る支度をして靴を履き替えていた。
「木葉さん、勉強会終わったんですか」
「えっ待ってたのか!?帰っていいっつったじゃん!」
「テスト勉強でストレス溜まりすぎないうちに、木葉さんとの触れ合いをですねぇ…」
「あーそういうコト。」
2人は校門を出てゆっくり歩いていく。
生温い風が頬に当たり、じんわりと汗を感じる。
「ところで、木兎さんたちは…」
「先生のとこに質問しに行った。俺は別に無かったし、時間も時間だしで帰ることにした。」
「そうですか。…ていうか、木兎さんがいて勉強できたんですか?」
「できたと思うか?」
「でしょうね。」
赤葦は軽く握った手を口元に当て、フッと笑って言った。
「笑い事じゃねーよ…てか赤葦も参加してみろ。別に3年限定じゃねーんだぞ。」
「いや、遠慮しておきます。」
こればかりは赤葦も真顔で言う。
なんせ、今回のテストで木葉と居れるかどうかがかかっているからだ。それはあくまで最悪の場合で、だが。
「めっちゃ真顔…まあ明日からは家で勉強するわ…」
「それが賢明ですね。」
少しの間が空く。特に話題がなく、どちらから話を振るわけでもなく。
駅までの道のりも少しある。
「人、いねーな。」
「そうですね。この時間帯にいる方が珍しいでしょう。」
木葉は小さめの深呼吸をして言った。
「あのさ…ちょっと手繋がね?」
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