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「楠原君。ひょっとして佐野嶋君を待ってるの?」
僕は穂波先輩に頷いた。すると穂波先輩はハッキリと言った。
「ダメだよ楠原君。佐野嶋君の練習を邪魔するのはよくない事だ!」
僕は穂波先輩に言われて動揺した。
「ぼっ僕……」
「そんなつもりじゃ……」
「サッカー部は西高との練習試合で全体的に盛りあがっているんだ」
「佐野嶋君もレギュラー入りを勝ち取る為に今は頑張って練習して、試合で起用されるようにサッカーに集中している一番大事な時なんだ」
「彼の親友なら、その彼の集中力を乱す様な邪魔はしないで欲しい…!」
僕は穂波先輩に言われてショックで頭がガーンとなった。
僕はいつの間にかアキラ君の集中力を乱す邪魔になっていたのかもしれない。
そうだとしたら僕はアキラ君にとって、いまは邪魔な"存在"なのかも知れない。
僕はそう思ったら何故だか急に涙が溢れた。
先生はその場で穂波先輩をたしなめると、穂波先輩は直ぐに謝ろうとしてきた。
だけど僕はあまりのショックで言葉を失うと、呆然とした顔で立ち尽くした。
自分でもわけもわからずに泣き出した。
居ても立ってもいられなくなると、僕は泣きながらその場から立ち去った。
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