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克服しようね(2/6)
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陸は、1年前に俺の隣りの部屋に引っ越して来た後輩だ。
越してきたその日、律儀にも、お菓子もって俺の部屋に挨拶しにきた陸。
いかにも田舎から来ましたって感じの、真面目そうなヤツって印象でしかなかった。
その後は、キャンパスで何回か見かけたり、たまに玄関で鉢合わすことはあったけど、遊びに夢中だった俺は特に気にすることはなかった。
陸が何やら緊張気味に俺の家に来たのは、それからしばらく後のテスト期間中だった。
何やら飯を多く作り過ぎたらしい。それがな、超ウマいんだ。今でも覚えてるよエビフライカレー。
自炊しない俺は、それはもうありがたくいただいた。
それから陸がちょくちょく飯持って来てくれて、いつの間にか仲良くなってた俺ら。
今思えば、この頃から、陸をかわいいなーとか思ってたかもしんない。
「付き合って下さいっ!」
陸は俺に一目惚れだったらしくて、涙目にそう言われて、なんか断る気になれなかった。
ノンケだったのに、成り行きで陸と付き合ってしまった俺。
最初は、そりゃ、もう戸惑うことばっかだったよ。
抱きしめても、骨張ってて硬いしさぁ、オッパイはペタンコだしさぁ。
それにアレついてんだよ。
脱がす気になんないよな。
でも、甲斐甲斐しく俺の世話してくれたり、遠慮がちに擦り寄って甘えてきたりして、だんだん陸から目が離せなくなったんだ。
最初は、弟が出来たような感情だったけど、だんだんこれが恋ってやつに変わるのがわかった。
本当にいい子なんだよ。男とか女とか関係なく、俺は陸を愛しちまったんだ。愛おしくてしょうがない。俺が陸を追いかける立場に逆転しちまった。
不思議だよな、そうなったらもう想いは止まらなくなる。
もう、可愛くて可愛くて仕方ないんだ。
別に女っぽい訳でもない、普通の男なのにな。
特別顔が綺麗ってわけじゃないけど、その潤んだ瞳とか、ピンク色の唇とか、白くてきめ細かい肌がもう、たまんない。
周りのヤツらは、なんであんな冴えない子がいいのー、なんて言ってやがるけど、俺は、お前らの目は節穴か、とでも言いたい。
陸が他のヤツに盗られんじゃないかと思ったら、気が気じゃないからいいけどさ。
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