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犬
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嬉しかった
騙しきれて
もう扉は閉まった
後は、いつもの時間が待つだけだ
怯えたように見せて、服を脱がさせて
もう、この部屋から出さないようにさせないと
仕事だって、roseのイベントの時ぐらいしか外に出させないようにすればいい
完璧だ
今まで何を忘れていたんだ
俺は犬じゃないか
負け犬
負け犬には友達なんか必要ない
リュウは犬同士だから仲が良かっただけ
人間の友達は要らない
だから、鳴くんだ
バカ犬のように
俺は彼らのペットだから
激痛
右の二の腕に刻まれた八十島という文字
たぶんroseでやってる、みんなで使う紙コップに名前を書くような感覚なのだろう
もう、俺は八十島の物なのだ
叫ばされ喘がされ、使い尽くされ殺されたとしても、悲しむ奴も、気づく奴すらいない
犬の末路だ
海人には佑哉を部屋に連れ戻して、専務に連絡を取るように頼んである
もう、佑哉も大丈夫
俺がいなくても平気
守れたんだ
嬉しい
三時間は経過しただろうか
ふと見ると部屋の奥に、花澤が見える
ばつが悪そうにこっちを見てる
結局は花澤も佑哉にひどいことをした一人か
佑哉の理想は理想なんだ
叶うはずがない
ちょっとだけ寂しかった
八十島に鞭を打たれて、佑哉に治してもらった傷が、また裂けた
色っぽく、純粋に悲鳴をあげて、逃げようとするその腕を、深瀬が掴んだ
その手についたリストバンドを見てにやりと笑う
「SORAだってさ。佑哉の編み物か?」
嫌だ
触るな…
手が震えた
それを感じさせないように興味なさそうに振る舞う
「へぇ。どうでもいいんだ。なら切っちまおうぜ。お前は八十島さんの物だろ?」
深瀬がそう言うと、八十島もにやりと笑う
嫌だ
嫌だ嫌だ嫌だ
佑哉がくれたもの
佑哉が…
リストバンドにハサミが入れられる
ジョキッと音がして、俺のリストバンドが…
切られた
その瞬間俺の何かが壊れた気がした
いや、壊れたんじゃない
元に戻っただけ
ただ、俺は悲しそうに涙を流し、妖艶にそれを拾い集める
永遠と飽きさせない時間を提供する
元から心なんて要らなかったのだ
もう、景色が変わった気がした
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