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「なあ」
「ん?」
「俺、ほんというと、人間はみんな似たり寄ったりに見えて、あんまり区別とかつかねーんだけどさ」
「うん、そういうものは多いね。特に、君はまだ若いから、そうであってもある意味仕方がないと思うよ」
「けどさ、人間の中にも、俺らの『力』のほどが、ちゃんとわかるやつがいるんだな」
「ああ、そうだね、そういう人達もいるね」
「生まれつきか?」
「まあ、大抵はね」
「……なあ」
「なんだい?」
「俺らの『力』のことがちゃんとわかっちまうと――やっぱりそいつ、俺らのことがおっかなくなるんだな」
「そうだね、『力』のことはわかるのに、私達自身のことはまだあまりよくわからない、そういう時期には、そうなることが多いようだね」
「……なあ」
「ん?」
「おまえも、怖がられたこと、あるか?」
「そうだね――そういうことも、あったね、うん」
「でも、今はそうじゃねえんだな」
「そうだね、今は違うね」
「……なあ」
「なんだい、暁丸?」
「俺も、いつか、怖がられないようになるか?」
「もちろんだよ暁丸。きっと、君が思っているよりも早いうちにそうなるだろうと私は思うよ」
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