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玉ねぎのせい… side.侑紀
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高槻さんと橘さんにマンションへ送ってもらい、それからずっと淡々と料理を続けている。
タンタンタンタンと部屋には包丁の音だけが響く。
ーー楽しかったなぁ。
久しぶりに賑やかに買い物をした。
それがあまりにも楽しすぎてあの時間がいつまでも続けばいいと思った。
単調作業を続けていると考えなくていいことでも考えてしまう。
次に頭をよぎったのは諒さんの顔。
何故か顔が赤くなる。
ずっと憧れてきた。
彼のおかげで生きる気力を取り戻せた。
恩人といってもいい。
そんな人としばらくの間一緒に仕事をして暮らして…。
夢のような世界に浸かってしまって自分は少し欲張りになってしまったみたいだ。
ここにとどまりたいって強く願ってしまう。
「…あ、れ?」
悲しくないのに涙が出た。
きっと、玉ねぎのせい……。
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