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ちょっかい
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別に、ただ和音さんと二人で会っただけなら、ここまで桜和も激怒しなかったと思う。同じ建物の中だし、これまで和音さんが過剰に踏み込んできたことは──年末に閑さんと二人で突撃してきたのは置いておくとして──特になかったわけだし。
ただ会っただけで済まなかったから、こんなに子供みたいな顔で怒っているのだ。
10分ほど前。和音さんに壁へ押さえつけられて、その右手で俺の両手を一纏めに拘束された。
「……和音、さん?」
「本当に……警戒心の薄いこ。馬鹿正直で、素直で……すぐに染っちゃいそうなのに綺麗なままで」
俺の髪を徐に指に絡ませて弄りながら、確かに俺に向いている視線は、それでもどこか遠くを見ていた。
ネクタイをぐい、と緩められ、プツプツとボタンを2つほど外される。何をする気なのかと身を捩っても、両手を捕まえる手から逃れようとしても、どうにもならなかった。
「そんなだから、桜和は君に射止められたのかな」
そう言って、和音さんは俺の首筋に顔を埋めた。
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