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伊吹 連 (12/12)
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部屋の中にキーボードの打ち込み音が鳴り響く。
ここ、生徒会室にいるのは
副会長である僕と、書記の雷電夏輝だけである
他の役員は募金活動に出ている
寒い中ご苦労様だ。
「…伊吹は」
…?
「伊吹は、帰らなくていいのか?」
雷電が打ち込みを中断して問いかける。
「え、あ、あぁ、うん。」
「…そう」
「…」
「…」
気まずい。
話しかけたならなんかこう。
会話をだな…。
と、ぐるぐる考えてると
「…誕生日おめでとう」
と、祝われた。
一瞬なんのことかわからず
「??」
と、なっていると
「今日、誕生日だろ。」
カレンダーに書いてた、と生徒会内に貼ってあるカレンダーを指差す
あぁ、そうだ。
うちの会長、自分の誕生日祝われたくて役員全員の誕生日カレンダーに書いてるんだっけ。
今日会長におめでとうのおの字もいただいてないけれど。
ん、というかよくみてるな…カレンダーなんていちいちみなさそうなのに。
いや、悪い意味でなくて。
カレンダーで確認しなくても今日の日付はばっちりな奴かなとおもってたし…。
それはおいとこう、長くなりそう。
それにしても、なんかこう、うれしいな…
雷電はエンターキーをおして立ち上がる
「かえるぞ」
「へ?」
雷電は僕の腕を引き自分のと、僕のコートを取り生徒会室をでていく。
混乱しながらも頭の中に思い浮かんだのは、さっきの誕生日おめでとうに対する言葉だった
”ありがとう”
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