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僕のことー4<sideマキ>
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次の日から、少しずつ僕の周りが変化していった。
「おはよう」
「……」
昨日まで挨拶を普通に交わしていた友人が僕を無視するのだった。
僕、何かしたっけ?
中学生になってこれと目立ったことはしていない僕だったから、全く見当がつかない。
席についても、周りの生徒は僕を見て笑ったり、ヒソヒソと話しているだけだった。
その日は一人ぼっちで過ごした。
その次の日も、
また次の日も。
周りは僕を避けていく。
僕を空気として扱っていく。
本当に訳がわからなかった。
僕に告白してくれた彼のところに行って訳を聞こうとした。
そんな彼でさえ、教室から外に出よう、と言って周りから見られないよう少し距離を置いて接してくる。
「五十嵐くん、この学年にホモって噂立てられてる…それでみんな近づかないんだ」
「ホモ?どうして…」
「俺に告白されてるところ見られたとか…あと、女顔だからとか…」
「そんなの…」
君も同じじゃないか、と。
言おうとした。
「お、俺は…面白半分で告白してみたってことにした…」
「え…」
「だから、今こうやって会うのも本当はやめたいんだ…ごめん」
そう言って彼は教室へ戻っていった。
全てに納得してしまった。
小学校の時から女顔だとは言われてきた。
昨日だって告白されて。
その彼に裏切られた。
「そんなの、こうなるに決まってるよ…」
急に一人になったように感じて、ぽろぽろと涙が溢れた。
今の今まで出なかったのに。
ここには、誰も味方がいない。
春くんもいない。
いや、春くんは僕から拒否したんだった。
「うっ…わぁあ…あっ…ん!」
声を出して、泣いた。
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