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俺のことー8<side雪城>
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のが、いけなかったのか。
「…新庄、春樹…」
俺は見つけてしまった、そいつを。
本当にたまたまだった。
たまたま歩いていた廊下から中庭へ出ようとした時。
そこで告白現場を見た。
どんなとこでも告白なんてあるんだな、なんて思っただけだったけれども、その内容を聞いて俺は固まった。
「俺…っ、新庄のこと、好きなんだ…!」
ゾッとした。
新庄?
そろりと、告白されている人を見る。
「…っ」
普通なら、男に告白されるのは女。
けれどそこに見える後ろ姿は男。
あぁ、俺は間違えた。
彼は頭のいい人だったから、てっきりもっと上の学校に入学していると思っていたのだ。
だから、俺は地元に帰ってもレベルの低い高校に入学した。
編入するのも。
甘かった。
中学を卒業して、地元に戻ってきたのは蒼が親に出された条件があったからだ。
蒼が高校に行かず、組を継ぐために御子柴組の傘下である組をまとめるようになれと親に言われ、その組がたまたま俺の地元にあった。
それに俺は嫌とは言いたくなかった。
こんなに助けてもらった蒼を困らせることはしたくなかった。
だから、地元に帰ってもレベルの高い高校にら行かなかったというのに。
こんな高校で会うはずが無い、同姓なだけだと言い聞かせ、俺はまた歩き出した。
この数日後に、本人と直接会うことになるとは知らずに。
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