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好きー1
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「俺、」
ゆっくりと口を開く。
「お前が好きだ」
好き。
そう口にしてみると、案外心は軽くなってすーっと落ち着いてゆく。
認めてしまえばもう、後には戻れないのだ。
「は…」
雪城の口から溢れたものは驚き。
と同時にその手が俺の襟元から離れてゆく。
「や、だ…やめろよ…」
「何をだ」
好きってことをか?
どんどん後ずさりしていく雪城を、今度はさっきと変わって起き上がった俺が追い詰める。
「来るな…よ」
「好き」
「やめっ…」
トン、と雪城が校舎に背中をつく。
「何がそんなに嫌なんだ」
「だって…俺…」
俺は雪城の目を見て話すが、先ほどから雪城は一度もこちらを見ない。
「俺は、お前に謝らないといけない。昔俺がちゃんと考えないで言った言葉、行動がお前を傷つけたこと。本当にすまない」
「ちが…っ」
「あの時は、男を好きになるなんて、変だって俺は思ってた。でも、お前が消えてまた現れて。あの時は男を好きにはなれなかったけど、今は違う。ちゃんと“雪城”が好き」
好きになってしまえばもう、男なんて関係ない。
好きなんだから。
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