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ハジメマシテ?
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無音の現状が非常に気まずい…。
「ぁの、す、すみません、音たててしまって……」
そう言って落ちた数冊の本を拾い集めようとしゃがみこむ。
相手の様子がわからないけど、とりあえず拾ったら通路を空けよう。
と、考えているとき視界に一冊の本が差し出された。
「ぁ、ありがとうございます……」
手元までしか視線をあげなかったから彼の表情などはわからない。
どうやら散らばったうちの一冊をとってくれたようだ。
それを受け取り、拾い集めた本とまとめて抱え、彼と本棚の微妙な隙間を通り抜けた。
とりあえず、テーブルまで行き本を置く。
さっきの棚の場所から『篠原さん』が遠ざかったら戻しにいこう。
よし、時間稼ぎじゃないけど、拾った本のタイトルでも確認しておこうかな。
そのほうが元の位置に戻しやすいから。
あ、この中から本を選んで今日借りて帰ろうかなぁ…。
じっくり選ぼうと、灯は着席し、本に手をかけた。
数分後、その中の一冊を借りることにした。
気づけば『篠原さん』の姿はなく、教室に戻ったのだろう。
灯も本を元に戻して図書室を後にした。
なぜか『篠原さん』が拾ってもらった本を借りてしまいました。
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