アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
.
-
もう一度口を開こうとした時、ついに見つかった。
「・・・宗弥、そいつ誰?」
「・・・誰でもいいでしょ。ほら帰ろ」
「いや。こいつじゃないの?浮気した元カレってのは」
「っ、」
言い当てられてしまい視線をにーちゃんから外してしまった。純汰の方もそう言われて体を固くさせ何か言いたげな目をしている。するとにーちゃんがもう一度口を開いた。
「お前宗弥を離せよ。なんでそんなこと出来るの?頭おかしいんじゃね?」
「なっ、」
「宗弥を泣かすばっかの奴が今更何しようが信用なんて戻ってこねーよ」
口調も表情もとても怒っていると表現している。だか瞳の奥には微かに悲しみが見えるのは多分僕だけなのだろう。あぁ、もうにーちゃんが何でそんなに悲しむの、と胸が苦しくなる。いつものように笑っていて欲しい。
「あ、なたの方こそ誰なんですか。俺たちのことは関係なっ」
「あるよ。だって俺は宗弥のにーちゃんだもん。だからウチの弟返して?・・・早くしろよ」
「っ、な」
「・・・そういう事だから、また学校でね。“友達”としてよろしく」
「宗弥!」
力が抜けた腕の中からするりと抜け出しにーちゃんの方へ向かうと後ろから呼び止められる。一瞬足を止めそうになったがそれを許さなかったのはにーちゃんの手だった。僕の腕を掴んでずんずん進んでいく。無言だがきっと僕を心配しているんだろう。そしてバイクに跨りヘルメットを被ってにーちゃん残しに腕を回した。
最後に純汰の方を見ると何故か決意したような目でこちらを見てふっと笑った。そして大声で
『友達になんて戻らない。許して貰えるまで頑張るよ』
そう、叫んだ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
29 / 31