アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
顧
-
ツラツラ思い出しながら、少し書いてみます。
私の20代は、激動でした。
まず、震災。
我が家は郊外でしたから、被害は微々たるものでした。
隣の市が近いので、輸送車、工事車両がひっきりなしに往来。
(余談ですが、余震は大型ダンプが遠くから近付いて来るようなゴーッという地鳴りからはじまるのです。)
市職員だった父は、職場が輸送基地になり、しばらくは不眠不休で詰めることになりました。(防災指令というやつです。)
公園やテニスコート、小学校のグラウンドにまで仮設住宅が建ち、3台に増発されてもギチギチなバスで毎朝通学。
「なんやのここ。メチャメチャ不便やなぁ。」
「こんな何もない田舎、もうイヤやわ。帰りたい!」
非日常が日常になりだした頃、ガンバレのかけ声の影で囁かれる言葉に、私は溜め息しか出ませんでした。
就職は氷河期。
被害を受けた地元の会社は、軒並み見通しが暗い。
未経験・文系・新卒女子(しかも交通費高い!)にはリクルートの資料冊子すらこない有り様ww
もう取り敢えず、何でもいいから働こう!
正社員は諦めて、バイトを始めました。
そこで私を待っていたのは
パン職人の下ネタトークが漏れ無くセットの厨房作業&ニア嫁姑(厨房パートさん2人が丁度そんな世代だったのです)に挟まれるという毎日でした。
そうこうしている間に、母が更年期に入り、非常にキレやすく、かつ落ち込みやすくなりました。
冷え。のぼせ。右肩が上がらず、酷い時は握力がない。不眠。
吠える母を嫌って、兄は家に寄り付かず、妹は研修&就活。
父は殿様ですから、母の仕事を平気で増やします。
父方の祖母と母は同居を始めて以来の犬猿の仲。
オマケに飼い犬は、元野良で脱走常習犯。
まるで別人のようになった母との葛藤、滞った家事の始末、その他もろもろを私が1人で引き受ける感じになってしまいました。
言っていく先も、頼るものもまるで思い付かず、ヨロヨロ、イライラ、クラクラしながら、毎日を過ごした結果
夕方5時を過ぎると、目にしたもの全てに怒りがわく、という異常な精神状態に陥りました。
この[5時から女]になると、感情のコントロールが利かない。
このままいくと
誰かをどついて被害者を出すか
言い過ぎた自分が、ケガさされるか
―どっちにしても、きっとクビになる。
その前に、バイトを辞めよう!!
とあるセールがすんだ日、私はバイトを辞めました。
「役立たず!寄生虫!」
母にはさんざん詰られましたが、私はスルーしまくり、職安に通いました。
「グウタラなお前につとまる仕事なんか、この世にあるもんか!」
―母を殺すか、自分が潰れるか
とまで一時は思い詰めました。
発作的に参加した他県のセミナーで、受けた面接は落ちましたが、その縁で声をかけてきた山奥の村に就職し、晴れて実家を出ました。
村が作った財団の準職員。待遇は良かった。何より10人、仲間がいました。
そこらのじいちゃんから、先輩宅の猫にまで、本当に良くしてもらいました。
だがしかし。
つまるところ、我々は地元民ではなかった。
他県からの寄せ集めチームは、村の要請により、地元を善くしよう!と頑張った。
けれど、地元の支持は、得られなかった。
真剣に村の未来を憂い、何度も話し合って具体的な改善案を練り上げた男女は、不倫の噂が立ち、ツラい立場に追い込まれました。
夏には、想定外の大型台風の被害を受け、その上、県からの補助金が出なくなりました。
仲間も1人、また1人と欠けてゆき、職場の勢いにも翳りが見え始めました。
小学校が廃校になる、という知らせを受けての村の集会で、私が思ったのは…
―私がここで出来ることはもう無い。
ということでした。
少数精鋭。実力主義。
もっとやる気だせ!!
とか言いながら
結局、地元民は皆、腹の底では『定住する人』が欲しかっただけだったのか…。
だから、素行が悪いと上司に匿名で告げ口され
逆に、気に入られたら、見合い話が、議員から持ち込まれたのか。
どこに行こうが、私は単なる『独身女』だったんだな~。
それ以上でも、以下でもない。
いつか結婚する
嫁に行って子供を産む
そういう風にしか、この人たちには見えないんだ…。
なーんだ。そーだったんだ~。
唖然というか、ずっと張り詰めていたものが、スコンと抜けてしまいました。
たしかに、私はキャリア志向じゃない。
1人では何も出来ない、けど。
結婚なんて、そんな予定もつもりも、この先まったくないのになぁ。
リアルに二世帯のギスギス見てるのに、自らあんなシンドイ世界へ、しかもこの村でやるやなんてありえへん。
だったら、四の五の言わず、尻尾を巻いて、とっとと地元に帰った方がいい。
こうして結局、私は親元へ戻ったのでした。
次にやって来たのは、妹の結婚。
親は大反対。
本人は結婚出来なきゃ死んでやる!!と。
相手の親も捲き込んで、すったもんだの大騒ぎでした。
毎日、夜中に痴話喧嘩を聴かされ、号泣しながら荷物を持って飛び出そうとする妹の家出をダッシュとキックで止めたりw
初対面のカレシくんに、親より先に説教かましたりww
そして、妹の式の翌日から始まる、無言のプレッシャーの日々。
『結婚or介護要員』
私の最も苦手とする、the女の世界ですww
たぶん、ヒガミもあったと思います。
焦りも、それから、怒りも。
そんな中、ナゼだかモテキがきてしまいました。
―何なんだ!?これ。
1人になると、勝手に涙が出たり。
徹夜でメールのやり取りしたり。
コンビニのバイトをやりながら、一番マトモに、男性と関わった貴重な時期だったように思います。
ラストは自分の結婚。
はい、めでたし、めでたし。←強引ww
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
177 / 318