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学校に着き、教室へと向かう。
「おはよ、旭」
その言葉とともに、いつものように健人がやってきた。
「あ、おはよ健人」
「今日は早いじゃん。めずらしー」
「がっ、頑張って起きたんですよーだっ」
「あっそ。偉いじゃん」
そう言って、僕の頭をポンポンと優しく叩いた。
「ん?なに?これなら髪崩れないでしょ?」
うっ、そうだけど…。 なんか調子狂うなぁ…
「あ、そういえばさ。今日学祭の時に着る服の採寸するって女子が言ってた。」
「え?そうなんだ。てっきりもうちょい先かと…」
「早めに取り掛かりたいんだとー。……あー、旭あれ…」
そう言って健人が指差す方を向くと、メジャーを片手に女子達が此方を伺っていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
バタンーーーーーーーーー。
女子達の綿密な採寸がおわり、健人と共に男子更衣室になだれこむように戻った。
「……だぁぁ〜疲れた。」
「結構…大変なんだね…サイズ測るの」
「女子って容赦ねぇな…。結局ほとんどパンイチだったんだけど」
「あははほんとに。………めっちゃ細いって言われた…」
「お、おう…まぁ気にすんなよ」
着替えながら、ちらりと健人の方を見た。
スポーツでもやってるんだろうか。僕なんかよりずっと程よく筋肉が付いてて格好良いな…
「えっち…」
「っ??!ばっ、ちがっ、っごめん!健人って鍛えてんのかなって…っ」
「ん、別に鍛えてねーよ?バスケは好きだけど」
「そうなんだ。いいなぁ、僕も筋肉付けようかな…」
「旭はそのままでいいよ笑 かわいーから」
う、うーん、それ褒められてんのかなぁ…??
そんな話をし着替え終えて教室に戻った。
向こうから女の子が一人此方に駆け寄ってくる。
「二人とも、今日は突然ごめんね。お疲れ様」
ふわりと微笑む彼女は、橘 薫子(たちばな かおるこ)ちゃんだ。雰囲気は、癒し系?といった感じだろうか。
「はい、これ。健人くんに」
「お、美味そー。ありがと」
「旭くんには、これ。…もう食べたかな??」
「!!!!!これ、パティスリードールの新作?!!食べたかったんだけど、何時も売り切れで買えなかったんだ…」
「そうなんだ!私近所に住んでるから割と買えるの。良かったら食べて」
「いいの?!…めっちゃ綺麗…可愛い…」
「おま、色々崩壊してるぞ旭…」
「はっ……ありがとう、薫子ちゃん」
「ふふふっ喜んで貰えて良かった。此方こそ二人ともありがとう。じゃあね」
教室へと戻っていく彼女の後ろ姿を見送った。
さすがマドンナ……。去り際もいい匂いだし……
ぽーっとしていると、ふいに襟元を引っ張られた。
「うおっ、なん…」
「あの子、ぜーったいお前に気があるわぁ…」
むくれ顔で彼女の後ろ姿を見つめる健人の様子を見て、一瞬動揺したもののそんな馬鹿なと直ぐに思い直した。
「は?何言ってんの。考えすぎ」
「旭は自分に向けられる好意に鈍いもんなー」
そう言ってこちらを見つめる健人に、返す言葉も見つからない。
「ぅ…」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
授業が終わり、帰る支度を始める。
今日は、帰りにスーパーに寄って…あ、卵きれてたっけ…あと、
「旭くん」
頭上で声がしたので、頭をあげてみるとそこに薫子ちゃんが立っていた。
「あ、薫子ちゃん。ケーキ有難う。凄く美味しかった」
「あ、本当?良かった。あそこのケーキ美味しくて宝石みたいに綺麗で、お気に入りなの」
「うんうん。僕もだよ。凄く勉強にもなる」
「ふふ、ケーキ作ってる旭くん、凄く真剣で格好良いもんね」
「いやいやそんなことはないけど…」
普段そんな事褒められること無いから、なんか恥ずかしいな…
「あ、ねぇ旭くん。この後時間無いかな?」
「え、この後…?んと、、ちょっと待たせてる人が居るから今日は無いかな」
「それって、もしかして彼女…?」
「え、いやいや!違うよ!彼女、ではない…」
「そっかー。じゃあ、今度のお休みとかどうかな?良かったら一緒にパティスリードールでお茶したいなって」
お休みかぁ、多分何も予定は無かったと思うけど…
ふと、今朝の健人の言葉が頭をよぎった。…が、まあ僕なんかにあり得ないし…
「うん、いいよ」
そうして、次の休みの約束をし彼女と別れ、僕は急いで買い出しへと向かった。
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