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深雪さん顔がすぐ目の前まで来た時、ふいに強い力で深雪さんが引き剥がされた。
そのすぐ後に、夜人さんの顔が見えたかと思うとそのまま体ごと抱き寄せられられた。
「ごめんっ、俺が一瞬目を離したばっかりに…。」
そう言うと、夜人さんの抱き締める力が少し強くなった。
夜人さんの鼓動が伝わってくる。きっと必死で離してくれたんだろう。僕はバカみたいな嫉妬ばかりしていたのに…。
「大丈夫…?何かされて…、」
「…ぐすっ、僕………っ」
「…!」
夜人は僕の顔を見て戸惑った顔した後、何かを言おうとしたものの、そのまま顔を覆うと大きく息をはいた。
「……ごめん、俺最悪だ…。」
…え?
「旭君のこと大切にしたいのに、君の泣いてる顔見てると…理性がどうにかなりそうで…」
「君が深雪にベタベタ触られるのも、我慢出来なかったんだ。自分がこんなに嫉妬深いとは思わなかった…。」
思いがけない言葉に上手く頭が回らなかった。
夜人さんがそんなふうに思ってたなんて。
「ぼ、僕、そんなひどい顔して……すみませんっ」
思わず訳の分からない謝罪をこぼすと、それを聞いた夜人さんは少し止まったあと、困った様に微笑んだ。
「ううん…俺の方こそごめん。…旭君の今の顔、キスしたくて堪らなくなる…。」
「…!」
頭が真っ白になったあと、ただ一言だけが口を突いて出た。
「…してください。いっぱい…」
心臓が一回一回どくんどくんって、張り裂けそうなほど脈打つのが苦しいのに、その痛みすらもかき消してしまうくらい、何度も何度も唇を重ね合った。
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