アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
落とし物ランデブー 04
-
1限目が終わった後、2限目は教室移動。行きも帰りも長谷部を見失って、3限目の終わりは担当の先生に荷物運びを手伝わされた聡。
結局、タイミングが合わずに4限目を迎えた。
(…俺、まじでどんだけ今日ついてないの?)
涼太に手紙を書いて渡そうと思ってもみたが、1限目は途中で聡が夢の中に、2限目は席が離れてしまい、3~4限目、今度は涼太が夢の中へ。
(昼は何がなんでもお願いしよう!)
そして、待ちにまった4限目終了のチャイムの音。涼太も漸く目が冷めたようだ、
授業終了の礼をした後、聡は必死に涼太を呼んだ。
「長谷部!長谷部!」
「どした?」
「あのさ…俺の携帯に電話、掛けてみてくんない?」
「ん?なんで?」
「紛失中…で…」
へへ、と苦笑しながら、やっと伝えられたことにホッとする聡。
涼太は、ちょっと待ってて、と携帯内のアドレス帳で聡の番号を探していた。
「涼太ー!飯食おうぜ飯!」
クラスメイトの男子3人が寄ってくる。
「あれ?なにしてんの?」
「ああ、速水が携帯無くしたっていうからさ~」
「ハヤミ?」
涼太の後ろの席に座る聡に目線が集まる。
若干人見知りの聡は少したじろいで、「あ…速水です…」と軽く会釈をした。
涼太と違って、あまり人馴れしていない聡に、3人は怪訝な視線を向けた。
4人の間に不穏な空気が流れたが、それを涼太が遮断した。
「速水ー電話鳴らしてるけど、マナーモード?」
「あ、いや。バイブにしてる筈…」
涼太の声にハッとなった聡は、確認しようと鞄に手を当ててみるが、振動が伝わってこない。
「あー…やっぱ無いや…長谷部、ありがとな。帰りに駅員に聞いてみ「あ。」…ん?」
諦めかけた聡に対し、涼太が急に携帯を差し出した。
「誰か出た。」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
9 / 65