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フレンドシップトリーティー 06
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(昼もそうだけど…なんであんな睨まれんだ…?)
「…おい。」
(俺、なんかヤバイことしたかな…)
「おい。…速水。」
成美の呼び掛けに我に返ると、目的地のコンビニ前を危なく通り過ぎるところだった。
「あ…ごめん、ボーっとしてた。」
「2本に増やすぞ」
「辞めろ!」
コンビニに入ると、成美は迷うことなく、ペットボトル、お菓子と次々に篭の中へ放り込んでいった。その様子を見た聡は、もしかすると後日、自分が支払わなくてはいけないのでは、と焦りを感じていた。
「別に全部払わなくていいし」
聡の様子に気付いた成美は、軽く笑いながら告げる。
「俺が食いたいもん入れてるだけだから」
「え…でも悪くね…?」
「お前にはあげねぇけど」
「え!?あー…へぇ…あ、そー…」
「…嘘。行くぞ。」
若干落胆した聡に笑いながら小突くと、成美はカウンターへ向かう。
恐らくは自分の金銭面を気遣ってくれたのだろう。何となく自分の財布の中身を確認すると、51円という微妙な残金だった。
カウンターで会計を済ませている成美に、カウンター付近にあった50円の菓子を差し出す。
「これならご馳走できます…」
51円を見せて小さい声で告げると、成美は「消費税足りねぇし」とクツクツ笑ながら10円を渡し、追加分の会計を済ませる。
「お前、数学もやべえんじゃねぇの?」
「さ、さっきはちょっと焦ってただけだし!」
買い物を終えた二人は、コンビニを出ると成美の家に向かう。
久々の勉強会に、聡は少し浮かれていた。
中学以来の友達付き合い。もしかすると、成美とだったらこれからも楽しくやっていけるかもしれない。
昨日と同じ景色にも関わらず、聡の目には色付いて見えるのだった。
まさか、誰かに尾行されていたとは、この時はまだ気づかなかった。
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