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―――さっき……伊東って人と一緒にいた人だ。
この学校の生徒会は格好良い人ばかりだと……まるで現実逃避のように、叶多はぼんやり考える。
思えば副会長の伊東も整った顔をしていたし、会長に至っては……遠目でしか見たことは無いがそれでも目を奪われた。
「私は書記で、射矢(いるや)といいます」
「小泉です。あの……」
「久世(くぜ)さんから何か話をされていたようですが……それは全て忘れて下さい」
エレベーターに乗った途端、振り返った射矢に言われて心臓の音が大きくなるが、動揺を見透かされないように何とか口を笑みに象る。
「話なんてしてないです。すぐに射矢さんが来たので……」
「ならいいです」
「あの、それで……何で僕は呼ばれたんでしょうか?」
「残念ですが、私は余計な話をする権限を持っていません」
「じゃあ、誰に……」
「着きました。行きますよ」
少しも残念そうじゃない口調でそう答えた射矢が、丁度停止したエレベーターを先に降りてしまった為、叶多は出かけた言葉を飲み込み慌てて彼の後に続いた。
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