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「なっ……岩崎…君?」
急な変化に付いて行けずに内心かなり動揺したが、それでも何とか立ち上がって叶多は彼へと身体を向ける。
「これは、どういう……」
「こんな所に、一人でのこのこ付いて来るのが馬鹿だって言ってるんだよ。お前、自分の立場分かってねーの?」
クスリと笑うその顔が、いつも見せている彼の顔とは全く違っている事で、叶多は自分が不味い状況に置かれているとすぐに気付いた。
「……立場って?」
だけど……逃げようにも入口を背に立つ岩崎は体格が良く、彼と力で勝負をしても勝ち目は無いと分かってしまう。
だから少しでも時間を稼いで方法を考えようと、叶多は会話を引き延ばす為に彼に質問を投げ掛けた。
「従者だよ。何で此処に来たばっかりのお前なんかが選ばれたのかって、みんな不満に思ってる」
「それは、向こうが勝手に……」
「大体……久世さんにくっついてるってだけでもムカついてたのに、会長にも取り入るなんて、お前、ホント身の程知らずだよな」
「だから、そんなんじゃない。僕は……」
「うるさい。お前の話は聞いてない」
言いたい事だけ言っておいてこちらの言葉は無視する彼に、叶多は小さく息を吐いてから唇を軽く噛みしめる。
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