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「キミは、どうして俺がガードにされたんだと思う?」
「……分かりません」
次の日の登校時間、予告通り佐野は来た。
正確には、登校しようとドアを開けたら佐野が立っていたのだが、ガードがどんな役割なのかも知らされていない現状では、突然そんな事を言われても答えられる筈もない。
「そんなにツンツンするなよ。あの時の事は謝るからさ」
あれだけの事をしておいて……普通に話せる佐野の神経が叶多には理解出来なかった。
「ただ、ガードなんて付けなくても、もうキミに手出しするような馬鹿は居ないのにって思った訳」
「それはどういう……」
「知りたい?」
意味あり気な言葉に思わず顔を見上げた叶多へと……片方の口端だけを器用に上げて佐野が言う。
「いえ、別に」
本当は知りたかったけれど、意地の悪い微笑を見れば喉の奥が詰まったように声が出なくなってしまい、叶多は視線を下へと戻した。
「従者にガード付けてる役員なんか、今は殆どいない。大抵みんな家柄が良いし、初等部から一緒だから力関係も分かってる。だから、従者に選ばれた生徒を疎ましく思っても、何をしても良いってルールを知ってても、迂闊に手なんか出せやしない」
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