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「お前……何をしてるんだ?」
訝しむような声と同時に開口具が外されて……ようやく自由になった唇を叶多は必死に開閉させる。
「あっ……な、なにも、してな……僕は……」
そこまでどうにか紡いだ所で意識の幕が切れ切れになり、叶多の身体がガクリと崩れた。
度重なる凌辱によって体が相当弱った所に、須賀の父との会合があり、精神的にも体力的にもかなり追い詰められていた。
「ううっ」
「もういい」
それでもどうにか起き上ろうと力を込めた指先は、後から伸びた須賀の掌に両方共包みこまれる。
「やっ……ぁ」
何故いつも酷く恐ろしいのに、こんな時ばかり優しいような響きを感じてしまうのか?
「ほんと……なにも……」
「……分かったから」
仰向けに身体を返され、そのまま彼に抱き上げられる。
「寝ろ」
耳許で低く囁く声。
少ししてから額に何か柔らかい物が触れた気がしたが、それが何かも考えられずに叶多は半ば気絶するように深い眠りへと堕ちていった。
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