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「今は意味なんてどうでも……」
「叶多っ!」
焦れたように再度腕を射矢が掴みかけた時、良く知った声が鼓膜に響いて叶多は思わず振り返っった。
「あっ……瞬」
「射矢、小泉君から離れろ」
「叶多、来い!」
「……何故此処に来たんです。貴方達には他に仕事があるでしょう?」
眉間に僅かな皺を寄せ、伊東に向かいそう切り返す射矢の掌を振り払って叶多は迷わず瞬の方へと走り出す。
状況はまるで見えないけれど、この学園で唯一信用出来る人物がそう言うのだから、疑う余地などありはしなかった。
「叶多、大丈夫?」
「うん……でも、これは一体……」
「何をやってるんです。早く彼を中に入れないと……」
「ねえ、叶多、御園の所に戻りたい?だったら射矢と行けば会える。それを希望するなら、俺達は此処を立ち去るけど……どうする?」
少しの距離を保ったままで対峙している射矢の耳には入らないよう瞬に囁かれ、叶多は酷く混乱する。
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