アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
56
-
「ありがとう。叶多は優しいな」
そんな気持ちを汲み取ったように、瞬が笑みを深めた所で保健室へと辿り着き……ドアをガラリと開いた彼が、
「先生、ちょっと外して貰って良いですか?」
と、中へ向かって声を掛ける。
「あれ?瞬が来るなんて、珍しいね」
「10分でいいから」
「もしかして、その子って……」
「会長の従者」
「へえ……彼が。分かった、30分やる」
叶多自身、保健室へと来たのは初めてだったから、養護教諭を見たのも勿論初めての事だったけど……どこかで見た事があるような既視感に襲われた。
「今の、圭吾の兄貴。ちょっと似てるだろ?」
「あっ……うん。似てる」
彼が横を通った所ですぐに理由が明らかになり、叶多は思わず後ろを向くと、立ち去る背中へ視線を向ける。
掛けている眼鏡のせいか顔の印象は違って見えたが、声質や話し方、それに歩く後ろ姿は確かに伊東と似ている気がした。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
258 / 552