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父の葬儀やそれに関わる諸々の手続きは、御園の父の厚意に甘え、全てを任せる形にしたから、そんな彼からそう告げられても、叶多は全く疑わしいとは思わなかった。
初七日の時に渡された父の通帳は殆ど空で、ひとつだけ……御霊前袋の中身が入った通帳を見詰め、これを母親の医療費に宛て、自分はどこかで働くしか道は無いと半ば決意を固めていた。
『お母さんの病院代が、かなりかさんでしまったらしいね。特例として退職金も先に渡してしまっていたし、言い辛いが……このままだと、学校も退学しなけらばならないだろう』
だけど……そんな風にはさせたくないと、端正な顔を曇らせながら、唯人の父は叶多に言った。
叶多が父の代わりをすれば、全ての資金を援助すると……。
そうすれば全て上手く行くし、大学を卒業すれば、自由になれると彼は語った。
そして、何の事かと尋ねる暇(いとま)も叶多に与えず、鎖につないで陵辱したのだ。
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