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「大丈夫……かな?」
「かなって何?本当に平気なの?」
「う、うん」
心配させてはいけないと思い、頷きながら答えると……訝しむような表情はしたが、予鈴が鳴ってしまった為に、そのまま席へと戻ってゆく。
ーーーどうしよう。
結局誰にも御園からのメッセージを、佐野が自分に伝えた事を言えずにここまで来てしまった。
この数日、叶多の周りは前に比べてかなり穏やかになっている。
学校以外の時間は全て須賀と一緒に過ごしているが、生徒会室でしてから一度も彼とセックスはしていなかった。
何故かなんて考えてみても、答えなんて分からない。
だが、少しでもそれを勘違いして、気を許してしまったら……また足元を掬われるに違いないと叶多は自分を戒めていた。
それに、
『俺と会った事は、内緒だよ』
そう……あの時唯人に言われたから、それが見えない鎖となって叶多は口を開けない。
幼少の頃からずっと叩き込まれた忠誠は、叶多自身が思うよりずっと深い場所まで刻まれていた。
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