アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
78
-
「……」
放とうと思った声は、喉が酷く乾いていた為、音にならずに空気に消えた。
とりあえず……ベットから降りて何か飲み物を探し出し、トイレにも行こうと思った叶多がゆっくり体を起こして床に足を着こうとすると、金属が擦れるような音がしたからビクリとする。
「……っ」
目を凝らして足首を見遣ると、何故か足枷がついていて……そこから細い鎖のような物が何処かへ延びていた。
ーーーこれは、一体……。
驚きに目を丸くしながらも取り外そうと試みるけど、金属で出来たそれはしっかりと固定されていて叶わない。
「喉、乾いた?」
「ひっ!」
突然、全く気配が無かった筈の部屋に響いたその声に、叶多が慌てて振り仰ぐと……顔までは良く見えなかったが唯人がそこに立っていた。
「ごめん、驚かせちゃったみたいだね。今入ってきたんだけど……これ飲んで」
告げながら彼が手渡してきたボトルは口が開いていて、促されるまま口に含むと僅かに甘くて喉ごしがいい。
「ありがとう」
「落ち着いた?」
聞き慣れた耳に心地よい声に叶多が小さく頷き返すと、唯人はそのまま隣に座って肩に腕を回してきた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
280 / 552