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「叶多は馬鹿だな……無理矢理連れて行かれたって、言い訳すれば良いのに」
「……え?」
告げながら、身体の上へと馬乗りになった唯人が襦袢の袷を開き、露わになった胸元へと、掌をそっと乗せてくる。
「……唯?」
そして……戸惑う叶多の声を無視して、そのまま左の肩口の方へそれをスッとスライドさせた。
「唯っ、やめっ……」
「どうして?」
制止を求める叶多の声は、問いかけによって掻き消され……先日彼に焼き付けられた桔梗の印へと指が這う。
「どうしてって……あっ!」
こんなのはおかしいという言葉が喉まで出掛けたけれど、突如襲った脱力感と軽い目眩に声が途切れた。
「叶多、どうかした?」
「っ……ゆい…からだ……うごか……」
表面上は心配そうに紡がれる少し低めの声から、感情がまるで読み取れない。
肌に触れてくる彼の掌の感触だけは鮮明なのに、どういう訳か身体が徐々に自分の言うことを聞かなくなった。
「ああ、分かってくれたんだね」
身体の異変を必死に彼へと伝えようとするけれどーーー唯人には聞こえなかったらしく、僅かながらの抵抗を止めた理由は勝手に書き換えられる。
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