アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
猫の、気がかり。【憂心目線】③
-
「っ!!」
指を切ったのは、僕の方だった。
「何してんだよゆうしーん…」
「すっ、すいません!」
「ほら、手え貸せ」
そのままずいっと腕を引っ張られて、流しの水で切り口を洗われる
少し痛い。
冬人さんは黙っておれの腕を掴んだまま、薬を塗って絆創膏を貼ってくれた。
怒ってるのかな…?
冬人さんは握った手を離さなかった、むしろ力が強くなってきて。
「冬人さん…?」
「………」
やっぱり怒ってるんだ…
「ごめんなさい…でも、怪我したのが冬人さんじゃなくて良かった…」
へへっと笑ってしまって、これじゃあ全然反省してないみたいじゃないかと後悔した。
「心配してんだよ…」
「え…」
「決めた。オレがご飯作る」
「へ?」
「なんか文句あるか」
「い、いや、文句じゃないんですけど、大丈夫かなって…」
「指切ったやつに言われたくないっ」
ぷいっとそっぽを向いて頬を膨らませ腕を組む、どう見たってかわいい意外に言うことはないわけで、にやけないように苦笑いする他なかった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
46 / 98